中小企業の経営者が知っておきたい副業・兼業について

1.はじめに

「働き方改革実行計画」において、副業・兼業の普及を図るという方向性が示されています。一方で、会社にとってはそれがどのような影響を与えるのか、社員が副業・兼業をすることで企業経営にどのようなメリット・デメリットがあるのか、悩むところではないでしょうか。本記事では、副業・兼業について中小企業の社長目線で解説します。

2.副業・兼業とは

副業・兼業も「本業以外に仕事を持っている」ということなので、厳密な意味の違いはありません。また、法律などによる明確な違いもありません。厚生労働省の資料・文書などでも、「副業・兼業」といった形で併記されています。

 しかし、一般的には「副業」といった場合、あくまでも仕事の比重は本業がメインで、その傍らで行う仕事というイメージがあります。 それに対して「兼業」は、本業がメインという訳ではなく、掛け持ちの仕事をそれぞれ平等にこなしていくイメージです。

3.副業・兼業のメリット、デメリット

副業・兼業を認めることで、会社にとっては、以下のようなメリットがあります。

  1. 社員が社内では得られない知識・スキルを獲得することができる。
  2. 社員の自律性・自主性を促すことができる。
  3. 優秀な人材の獲得・流出の防止ができ、競争力が向上する。
  4. 社員が社外から新たな知識・情報や人脈を入れることで、事業機会の拡大につながる。

逆にデメリットとしては、必要な就業時間の把握・管理や健康管理への対応、職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務をどう確保するかという懸念への対応が必要です。

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4.副業・兼業を認めなければならないのか?

日本の雇用慣行で長い間、副業・兼業は、原則禁止されていました。しかし、過去の裁判の結果によると、社員が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には社員の自由であると結論が出ています。そのため、原則、副業・兼業を認める方向で検討することが適当とされています。厚生労働省が作成しているモデル就業規則でも原則容認に変更されています

5.副業・兼業を認めるにあたって

副業 ・兼業を禁止や一律許可制にしている会社は、副業・兼業を認める方向で就業規則等を見直すことが望ましいです。また、副業・兼業に伴う労務管理を適切に行うためには、届出制など副業・兼業の有無や内容を確認するための仕組みを設けておく必要があります。

上記のように対応できるのが理想です。しかし、中小企業では現実的には難しいのではないでしょうか。その場合は、対応できる範囲から認めていくことが大切です。例えば、自営業型の副業・兼業は届出制にし、他の会社等に雇用される形での副業・兼業は許可制とするという制度も考えられます

6.さいごに

副業・兼業を認めることで、社員のモチベーションアップやスキルアップなどのメリットがありますが、本業への影響やコンプライアンスの問題などのデメリットもあります。副業・兼業を認める場合には、注意点を踏まえ、社員と会社の双方が納得感を持って導入できることができるように十分にコミュニケーションをとることが重要です。副業・兼業について、ご不明な点等がございましたら木戸社会保険労務士事務所までご相談ください。


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投稿者プロフィール

石田厳志
石田厳志
木戸社会保険労務士事務所の三代目の石田厳志と申します。当事務所は、私の祖父の初代所長木戸琢磨が昭和44年に開業し、長年に渡って企業の発展と、そしてそこで働く従業員の方々の福祉の向上を目指し、多くの皆様に支えられて社会保険労務士業を行ってまいりました。
当事務所は『労働保険・社会保険の手続』『給与計算』『就業規則の作成・労働トラブルの相談』『役所の調査への対応』『障害年金の請求』等を主たる業務としており、経営者の困り事を解決するために、日々尽力しています。経営者の方々の身近で頼れる相談相手をモットーに、きめ細かくお客様目線で真摯に対応させていただきます。